未開封BOXを“PSA10一点狙い”で開けるのは得か?期待値(EV)で冷静に判断する方法

未開封BOXの相場が上がってくると、「開けて当ててPSA10にすれば勝てるのでは?」という発想が出てきます。
ただ、“PSA10一点狙い”の開封は、期待値(EV)で見ると負けやすいのが現実です。
この記事では、前提→計算→結論の順で、開封が得になる条件まで一気に整理します。

今回の結論:一点狙い開封は基本「期待値負け」になりやすい

前提を置いてシンプルに計算すると、目当てのPSA10の“理論上の当たり価値”はBOX価格に届きにくいことが多いです。
もちろん例外はありますが、例外は「条件が揃ったとき」だけ。まずは計算の型を押さえておきましょう。

期待値(EV)とは?開封判断をブレさせない“基準”

EV(期待値)は、ざっくり言うと「長期的に平均すると得か損か」を表す指標です。
一度の神引き・爆死に左右されず、継続的に勝てる判断ができるのがEVの強みです。

この記事で扱う“超単純モデル”

  • 狙いはPSA10の1枚だけ(それ以外の当たりは価値ゼロとして計算)
  • 計算を簡単にして、まず「一点狙いが成立するか」を確認する

前提条件(例):1BOX=10パック、狙いはブラッキーex SAR(PSA10)

ここでは分かりやすい数値例として、次の条件を置きます。

  • 1パック:¥550
  • 1BOX:10パック → ¥5,500
  • 目標カード:ブラッキーex SAR(PSA10想定 ¥72,000)
  • 仮定:1BOXあたりSARが1枚
  • 仮定:SARの種類(プール)8種 → 目当てを引く確率 1/8
  • PSA10化率(合格率):5% / 10% / 20%で感度チェック

EV計算の型:たった1行でOK

“PSA10一点狙い”のEVは、次の式で近似できます。

EV/BOX ≒(PSA10価格 × PSA10化率 × 目当てを引く確率) − BOX価格

今回の例だと、目当て確率は 1/8 = 0.125、BOX価格は ¥5,500、PSA10価格は ¥72,000です。

感度分析:PSA10化率が上がっても「まだ届かない」ことが多い

PSA10化率を5%・10%・20%で変えたときのEVを計算します。
(※ここでは副次的な当たりやPSA9の価値は入れず、あえて厳しめに見ます)

PSA10化率:5%

当たり価値:72,000 × 0.05 × 0.125 = ¥450
EV:¥450 − ¥5,500 = −¥5,050

PSA10化率:10%

当たり価値:72,000 × 0.10 × 0.125 = ¥900
EV:¥900 − ¥5,500 = −¥4,600

PSA10化率:20%

当たり価値:72,000 × 0.20 × 0.125 = ¥1,800
EV:¥1,800 − ¥5,500 = −¥3,700

つまりこのモデルでは、PSA10化率をかなり楽観的に置いても、
一点狙いの“理論上の上乗せ”はBOX価格に届かず、期待値負けになりやすい、という結論になります。

なぜ「一点狙い開封」は負けやすいのか?

  • 狙いの確率が薄い(SARプールが多いほど分散する)
  • PSA10は“状態依存”で、合格率をコントロールしにくい
  • 相場の天井を取りにいく構造になりがち(上振れ前提)

例外:開封が“成立”しうる条件

ただし、以下の条件が揃うと「開封が戦略になる」ケースもあります。
重要なのは、雰囲気ではなく条件で判断することです。

  • 実配(封入仕様)の実測で、1BOXに複数SARが出るなど“想定より甘い”根拠がある
  • PSA10化率が高いロット(初期傷が少ない・センタリングが良い等)が確認できる
  • PSA10相場が急騰しており、価格差(国内外)などの上昇余地が明確
  • 一点ではなく、AR・SR・SAR全体の副次EVを加点してもプラスになる

実務的なおすすめ:基本は「PSA10完成品を拾う」

開封で当ててPSA10を作るより、PSA10完成品を相場で拾う方がブレが少ないことが多いです。
特に一点狙いの場合、開封は上振れ依存になりやすいため、
実運用は「完成品+情報優位のときだけ開封」が安定します。

PSA10短期ウォッチに使えるチェック項目

  • 直近のPSA10落札レンジ(上振れではなく中央値を見る)
  • PSA10とPSA9の価格差(差が開くほど“10の価値”が強い)
  • 初期傷・センタリング傾向(ロット差があると10率が変わる)
  • 海外需要・為替(輸出入裁定が起きると相場が動きやすい)

まとめ:一点狙い開封は“計算してから”が鉄則

未開封BOXの開封は夢がありますが、PSA10一点狙いは期待値負けになりやすいのが基本線です。
ただし、封入やロット、相場急変など条件が揃ったときだけ「開封が戦略」に変わります。
迷ったらまずは、この1行のEV式に戻して判断するとブレません。

EV/BOX ≒(PSA10価格 × PSA10化率 × 目当て確率) − BOX価格